ペットの供養をいつまで続けるべきですか?

  • 2024.03.11 Monday
  • 12:49

長年ペットの供養に来てくださっている方がお参りに来られて、本堂での法要を執り行われました。

何体かのペットさんを供養されている中で、もうすぐ十三回忌になる子がいます、十三回忌くらいで年忌法要を終わりにするものなのですか、その子と別に30年近く前に亡くしたペットもいるのですが、十七回忌以降もずっと法要を続けていいものですかと、その方がお尋ねになりました。

 

昔ながらのしきたりで言うと、年忌法要は三十三回忌もしくは五十回忌を祀り上げとして、それ以降は「〇回忌」という形の年忌法要はしないものでした。

たぶん昔の人たちも、いつまで供養を続ければいいのか、あるいはずっと続けたいけれど、いつまでも行っていていいものなのかとそれぞれが悩まないために、こうしたルールを決めておいてくれたのでしょうね。

 

近頃は逆に長い間供養を続けることを負担と感じる方が多いので、十三回忌くらいを「祀り上げ」にする人も多くなったのだと思います。

昔は三十三回忌や五十回忌くらいになると、亡くなった方も十分に供養されて立派に仏さまになられたという意味もあるし、人間世界のことで言うと、故人のことを覚えている人も少なくなり、また法要を執り行う家族も代替わりしていることが多いので、「祀り上げ」というルールが出来たのかも知れません。

 

ペットさんの供養に関して言えば、何十年たっても記憶は薄れず、いつまでも懐かしい思い出の中で供養をしてあげたいとこちらも思う方が増えている訳ですから、「〇回忌」ということにこだわらず、ずっとお気持ちの続く限り供養を続ければ良いということですねと、その方とお話ししながら、ご一緒に答を考えさせて頂きました。

                        合掌

 

慈妙院動物霊園

僧侶 唯心

涅槃図のお話

  • 2024.02.09 Friday
  • 14:47

 

2月15日はお釈迦さまが亡くなられた日を祈念する涅槃会です。

今年も2月15日の涅槃会にちなんで慈妙院の仏間に涅槃図を掛けさせて頂いています。

 

慈妙院の近くの同じ天台宗のお寺では、名古屋市西区の善光寺別院願王寺さんの刺繡涅槃図が有名だそうです。

お寺に電話してお聞きすると、2月15日のみ本堂に涅槃図を掛けて誰でもお参りができるようにしておられるそうです。

(私は今年は日が合わずに参拝できないのですが、住職さんがご親切にお答えくださいました。この場を借りてお礼申し上げます)

 

慈妙院の涅槃図は願王寺さんに比べてずっと新しい物ですが、慈妙院ではペットさんの供養で初めてお寺とご縁ができ、涅槃図というものに触れる方も多いと思います。

2月18日の日曜日まで仏間に掲げておりますので、どうぞお参りなさってくだされば幸いです。

              合掌

 

慈妙院動物霊園

 僧侶 唯心

あの世へ旅立つペットへのお願いごと

  • 2024.01.23 Tuesday
  • 15:17

先日、ペットのお葬式に来られた方が、ご出棺の際にペットさんに向かって、「お父さんによろしくね」と仰っておられました。

 

四十九日目に極楽浄土にたどり着かれた方を、先に亡くなった方がお迎えしてくださるというのが、日本人の昔からの「あの世観」です。

 

「ペットも家族の一員だから」と仰る方が増えてきました。

ニュースを見ていると、今回の震災に合われた被災者の方たちの中にも、そう仰っておられる方がたくさんおられます。

 

それが供養にも影響して、人であれ、ペットであれ、先に亡くなった方が後から亡くなった方をお迎えしてくださるというふうに、皆さまが考えてくださるようになって来たのだとしたら、お寺としてはとても嬉しく思います。

 

                 合掌

 

慈妙院動物霊園

僧侶 唯心

お参りに来たお子さまに合掌して頂きました

  • 2024.01.18 Thursday
  • 12:29

慈妙院にはペットのお葬式に来られる方が多いので、他のお寺に比べて若いご家族がお参りされる率が高いかも知れません。

 

先日のことです。

お葬式に来られた若いご家族の中の小さなお子さまが、お葬式の後に僧侶の私に向かってバイバイと言いながら手を振ってくださいまいした。

 

そこで私がバイバイと手を振り返してあげれば、ああ、子供にやさしいお坊さんなんだなあと思って頂けるのでしょうけれど、私は偏屈なものですから…

 

「お寺なので合掌しましょう、さあ、合掌!」と言って手を合わせてみたら、そのお子さまも私に向かってしっかりと合掌を返してくださいました。

 

小さなお子さまが初めてお寺に触れる機会も多い慈妙院だからこそ、ぜひこれをご縁にお寺まいりや仏教に自然と馴染んでくださればと思っています。

 

慈妙院動物霊園

僧侶 唯心

ペットが亡くなってから何年たちますか?

  • 2023.12.27 Wednesday
  • 13:34

ペットさんが亡くなってから1年目のご命日を「1周忌」と言います。

そして2年目のご命日を「3回忌」と言います。

3年目の命日が「3回忌」なのではありません。

 

たまに間違えて3年目に三回忌を行う方がありますが、遅れても法要をしないよりはした方がご供養だとは言え、あくまでも2年目のご命日が三回忌です。

 

その後は丸6年目が「七回忌」、丸12年目が「十三回忌」です。

つまり亡くなった日も含めて何目のご命日かという意味で「丸何年プラス1年」のことを「何忌」と呼ぶわけです。

 

一年目だけは命日から丸一年と言う意味で「一忌」と言いますが、これは1周年目、つまり命日から1年目という意味です。

「一忌」だけ言い方が違うせいもあって、何年目で何回忌に当たるのかという計算は、皆さん、よく間違いがちなのかも知れません。

 

お寺の職員さんであっても(時にはお坊さんの中にも⁉)言い間違えたり、計算間違いをしたりする方が少なくありません。

三回忌や七回忌のことを「三忌」とか「七忌」と呼ぶのも間違いです。

ついでに言うと「七回忌」は「ななかいき」ではなく「しちかいき」と読むべきです。

 

 

なかなかややこしいのですが、そうしてペットさんが亡くなってから何年たったかを考えて、亡くなったペットさんのことを忘れずに思い出し、節目ごとにペットさんの年忌法要を営むことが、何よりの供養だということなのです。

 

慈妙院動物霊園

僧侶 唯心

ペットの棺にリンゴは入れられますか?

  • 2023.11.30 Thursday
  • 13:26

何度も書いていることですが、慈妙院のペット火葬では、棺の中に入れて頂けない物がありますが、先日もお葬式に来られた女性の方に「うちの子が好きだったリンゴくらい入れてあげてもいいじゃないの?」と言われました。

 

そこで、こんな物を入れてあげたい、あんな物も入れてあげたいと思われるお気持ちは重々わかりますが、あくまでも純粋に物理的な火葬上の問題としての取り決めですということを言おうとして、つい「燃えるか燃えないかの問題で…」と言いかけたら、「リンゴは燃えるじゃないの!」と仰られてしまいました。

 

これも何度も書いているように、純粋に物理的な火葬上の問題で入れられない物があり、そうした物は火葬の前に取り出して頂くきますが、こんな物を入れてあげたい、あんな物も入れてあげたいと思われる皆さまのお気持ちは、きっとペットさんに、そして仏さまの世界に届きます。

その「お気持ち」をお供えすることこそが「供養」の意味なのです。

 

…ということを、言葉の足らなかった部分をお詫びしながら何度も言葉を変えてご説明させて頂きました。

 

どうか皆さまのお気持ちが、仏さまの心に適いますように。

 

                                  合掌

 

 本日の担当 僧侶 唯心

 

慈妙院ホームページ 棺に入れて火葬できない物

 

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    犬と話せるお坊さんはいますか?

    • 2023.11.10 Friday
    • 13:26

    お寺の受付に来られた男性が、お寺のスタッフさんに、「こないだうちのペットのお葬式をして下さったお坊さんが、お経の時に『ワン、ワン』と仰っていましたけど、あの方は犬と喋れるんですか?」とお聞きになられました。

     

    事務所の奥でこっそりその会話を耳にした私は、スタッフさんにその方がお葬式をされた日が何日なのか、お尋ねしてみてくださいと伝えました。

     

    そうしたらその方がお葬式をされた日は、私ではなく、浄観和尚がご導師をされた日だったことが分かりましたが、物静かで理知的な浄観師が「ワン、ワン」と言ったとは考えにくいことです。

     

    かと言って、我々がペットさんのお葬式で上げている天台宗のお経に、「ワン、ワン」と聞こえる箇所があるとも思えません。

     

    かなり考えた末に、私たち天台宗のお坊さんがお経を始める前の密教の作法の中でに「ランバン、ランバン、ランバン」というご真言を唱える箇所がありますので、浄観和尚はきっと私より大きく明瞭な発音で「ランバン」という言葉を唱えられたのではないかと思い当たりました。

     

    それを施主さまが「ワンワン」と聞き間違えたのではないかというのが私の推理なのですが、いかがなものでしょう?

     

                               合掌

     

    慈妙院動物霊園

    僧侶 唯心

    四十九日のペットを引き留めることはできますか?

    • 2023.10.28 Saturday
    • 12:57

    お葬式に立ち会えなくて、毎週四十九日まで七日ごとに本堂での法要を営まれた女性がおられました。

     

    四十九日の法要の日に、今日でとうとうペットさんは極楽往生ですね、七日七日の欠かさないお参り、本当にご苦労さまでしたと申し上げたら、これで行っちゃうんですよね? 引き留めたらこの子のためになりませんもんね? と、その方が仰いました。

     

    いいえ、そうではありません、四十九日まで私たちのそばにいて、四十九日目にポコッとどこかへ行ってしまうのではありませんよ、亡くなった時からペットさんはすでに極楽への道を歩いておられますが、極楽浄土はいつも我々のそばにあるのです、だから昨日も今日も変わらずペットさんはあなたの近くであなたのお参りを応援にしながら、元気にご修行されているのだと、思ってあげてくださいねと、申しあげておきました。      合掌

     

    慈妙院動物霊園

    僧侶 唯心

    ペットに手向けるお香の話

    • 2023.10.06 Friday
    • 13:50

    たくさんの人数でペットのお葬式に来られたご家族の内の小さなお子さまが、葬儀場に入った途端に「ローソクのいい匂いがする」と仰いましたので、ローソクじゃないですよ、お線香の匂いですよと申し上げました。

     

    小さな子どもがそう言ってるのなら、わざわざ揚げ足を取らなくてもいいじゃないかと思われるかも知れません。

    でも考えてみてください。

     

    葬儀場に入った途端に嗅ぎなれない匂いに「くさーい!」とか「何? この変な臭い!」などと仰るお子さまもたくさんおられる中で、お香の香りをいい匂いだと感じたことは何よりですから、これを機会に是非正しい言葉を覚えてくださることは、とても良いご縁なのではないでしょうか?

     

     

     

    願此香華雲 遍満十方界 無遍佛土中 無量香荘厳 具足菩薩道 成就如来香

    このお香の煙が宇宙全体に広がって、仏さまたちの世界に手向けられますように。

     

     

    慈妙院動物霊園

    僧侶 唯心

    キリスト教徒の方がペットのお葬式に来られました…

    • 2023.10.03 Tuesday
    • 15:11

    慈妙院動物霊園にはアジア系の方、欧米の方、日系人の方といった外国人の方たちもたくさんペットのお葬式に来ておられます。

    意外なことに、その内の多くの方が、慈妙院での仏式のお葬式に立ち会うことを希望されています。

     

    先日のことです。

    一人の西洋人女性の方が亡くなったご自分のペットのお葬式に来られました。

    自分はキリスト教徒なので信仰が違うのだけれど、仏式のお葬式に立ち会ってみたいとのことです。

     

    こちらのお葬式で使ったりお渡ししたりする様々な仏具や葬具は、その都度「信仰が違いますので」と流暢な日本語でお断りされるのですが、焼香だけはしてみたいということで、作法をお伝えしてお参りして頂きました。

     

    さてその後で葬儀場から受付のある建物に移動する外の道をご案内していたら、お隣の教会の屋根の十字架が見えました。その途端、その方は「おお!教会があります!」と嬉しそうな声で仰いました。

     

    そうです、ありますね、隣同士で仲良く並んでいますねと申し上げると、その方は「もちろんです、もちろんです」とお答えになりました。

     

    仏の慈悲も神の愛もその本質は同じですということを、仰りたかったのかも知れません。

     

     

    慈妙院動物霊園

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